ときめきレストラン
サイドテーブルに左腕を伸ばし、手探りで眼鏡を掴む。 霞む両目をしばたたかせながらプライベート用のスマホを握りしめて、今にも手放しそうな意識を現実に絡みつかせる。
ボンヤリしているお前の肩を引き寄せて、ボンヤリ開いた唇に口付けた。 俺に両肩を掴まれながら、「たったいま目が覚めました」みたいな顔で目をパチクリさせている。 いいから閉じろバカ。
通算13枚目の付箋を本に貼り付けて、ふうと息をついた。 わずかに空いたこの時間で、大学の課題をすべて終わらせようとするのにはやはり無理があったらしい。 既に予定の時間の半分以上を費やしているのに、課題は四分の一程度しか進んでいない。 霧島司は焦…
寒いなあ。 外はからりと晴れて、秋の高い空が頭の上いっぱいに広がっている。 こんなに明るくて美しい青空なのに、どうしてこんなに寒いんだろう。