ツイノベとかのまとめ

twitterで投稿したツイノベをまとめています(@ukeiregaohayai)

将臣

何もかも自分で納得して動いてしまうから、その背をこの磨り減った靴底で蹴飛ばしてやりたい。遼遠の旅路を経て巡り会ったこの場所はあまりに残酷で、私もまた自分の残酷さを思い知らされる。頑固なところが似てるだなんてよく言ったものだ。その似たところがこの壁を築いたというのに。


前髪に滴る粒は雨なのか汗なのか涙なのか、もう分からない。太刀筋は生まれた絆を断ち切るほどに鋭敏で、雨粒と空間を切り取るようにして打ち合う。切り取られた幾多の時空が目の前に並ぶ。「――お前が」ギリギリと競り合う切っ先に、なびく紅の裾と鴇色の袖。「お前が源氏の神子だったのか」


自らの行く道を定め、そこに輝く遙けき星。不意に降り注ぐその煌めきは、古くは凶兆とされたと聞く。月を私に喩えるのなら、流星は彼だろう。「俺はそんなに輝かしい人間じゃないぜ」「流星は崩壊と結合を繰り返して光るんだよ」惑わすのも支えるのも、すべては見上げたそこにある光。