ツイノベとかのまとめ

twitterで投稿したツイノベをまとめています(@ukeiregaohayai)

九郎

十一月を迎えた砂浜は物悲しく、潮の香りを孕んだ風が前髪をかきあげていく。名を呼ぶ声が震えているように聞こえて顔を見れば、はらはらと涙を零している。訳を問うより先にお前は言う。「お誕生日おめでとうございます、九郎さん」お前は時折、俺の瞳の向こう側を見つめている気がする。