2020-10-26 帯刀 遙かなる時空の中で5 向かい風を受けて、濃紺の衣の裾がはためく。君は大きく乱れた前髪に手をやりながら後ろを振り返り、「このくらい風があるほうが気持ちいいですね」と言った。己に向けられる心無い刃をひらりかわして、龍神の御使いは世界を紡ぐ。「私には羽根がないから、空を飛ぶには風が必要なんですよ」