ツイノベとかのまとめ

twitterで投稿したツイノベをまとめています(@ukeiregaohayai)

ベルゼブブ

そっと部屋を覗くと、ベールはすぐに身を起こした。「ごめん、寝てたよね」「大丈夫だ。緊急事態には起きられるようにしてる」そう囁いて微笑む腕の中に潜り込み、頬ずりをする。「次はきっと良い夢が見られる。美味い夢だといいな」胸から胸に優しい声が響いて、夢の中まで守ってくれる。




「こうしてるときが一番人間のにおいがするな」「……おなかでもすく?」『こうしてるとき』の意味にドキッとして、ついはぐらかす。「腹が減るというよりは……」抱きしめる力が強くなって、背に感じる鼓動は少し速い。「キス、したくなる」ほら。そうやって、やっぱり食べられてしまう。


自覚があるのかないのか知らないが、伊吹は緊張しているとき人間のにおいが強くなる。そう伝えると伊吹はなぜかドキマギして、においはますます強く香った。力んだ肩。軽く腕を回しただけでも分かるほど早鐘を打つ胸。赤い耳。「キス、したくなる」そのまま、食べてしまいたくなるくらいに。