ツイノベとかのまとめ

twitterで投稿したツイノベをまとめています(@ukeiregaohayai)

彰紋

チョコレート、というお菓子を食べたら、こんな気持ちになるのだろうか。舌の上でじわりと溶けて、口の中いっぱいに香りが広がるというそれは、なんて罪作りなのだろうと思った。あなたと握手して温もりに触れているそこから、僕がとろりと溶けてしまいそうだ。そしてひとつになれたらいい。


肩を掴まれた感触のその小ささに改めて感嘆する。僕も決して大柄ではないけれど、それでもやはり女性とは違う。肩に置かれた儚げな手をとり、頬ずりをした。唇に触れる掌までもがこんなに柔らかい。「僕があなたを守ります」。思わず呟いた誓いの言葉に微笑む彼女は、間違いなく天女だった。


体を動かしたいのですか? そうですね、この頃は暖かいですから。では人払いを…ああ、買い物なら店の者をこちらに来させますよ。…あの女房ですか? 先日あなたに嫌がらせをしていた方ですよね。大丈夫ですよ。心配することは何もありません。こちらでゆっくりなさっていてくださいね。


「今日はよい天気ですね」「そうだな」「……」「なんだ、好天に文句でもあるのか」兄上とこんな話が出来るようになった。なんでもない相槌が嬉しくて、つい頬が緩む。「そのだらしのない顔をやめろ。さっさと行くぞ。もう随分時朝を待たせているんだ」「そうですね」つい、頬が緩むのだ。